現在でもユダヤ教やイスラム教、アフリカの諸民族などでは、宗教的な意味合いから割礼を行っています。
この他、アメリカ・フィリピンなどでは、衛生上の観点からおもに新生児の男児の男性性器の「陰茎の包皮」を切除する場合もあるようです。
日本でも、成人男子が主に衛生上の観点から行う包茎手術を行うケースがありますが、新生児に対して行うことはまれでしょう。
宗教習俗上の意味合いを持たないものは、宗教上の理由から行われるものとは区別し、割礼と呼ばず「陰茎包皮切除」と呼んでも良いと思われます。
包皮の切除自体は宗教習俗の違いがあるにしてもどちらかというと熱帯や乾燥帯に住む世界各地の人々に見られる傾向があるようです。
つまり、元々は衛生環境が悪化しがちな気候条件下に住む人々の経験に基づく衛生予防上の習慣として生まれたものが、宗教習俗上の意味合いを持たせたことで、宗教習俗の広がりと共により普及したとされています。
アメリカでは宗教との関連ではなく、衛生上の理由および子供の自慰行為を防ぐ目的などの名目で19世紀末から包皮切除が行われるようになったとされています。
特に第二次世界大戦後、病気(性病、陰茎ガンなど)の予防に効果があるとされ、普及するようになりました。
加えて、医療従事者に割礼を行う宗教の信徒が多かったので包皮切除に対する違和感が低かったため普及したという指摘もあります。
1990年代後半に衛生上の必要性は薄いことが示されるようになり、手術自体も新生児にとってハイリスクかつ非人道的との意見が強まって、1998年に小児科学会から包皮切除を推奨しないガイドラインが提出されました。
これを受け、包皮切除を受ける男児は全米で減少してきており、21世紀に入ってからは約6割程度と言われています。
また、「身体の統一性」および「自己の決定権」という意識から、生まれたときに勝手に行われた包皮切除を嫌い、包皮の復元手術を行い「ナチュラル・ペニス」にしようとする人も少なくありません。
包皮切除そのものは常に傷口からの化膿の危険性があり特に抵抗力のない幼児に対する危険性は大きいのです。
乳児に対する包皮切除では、医師が誤ってペニスを損傷してしまった例もあり、その危険性が指摘されています。
南アフリカなどでは、施術者がずさんな割礼術を行ったり、自分で割礼しようとする男子が多く大怪我をしたり死亡する者が後を絶たないようです。
真性包茎やカントン包茎の場合は性交に支障が出ることが多いですが、仮性包茎の場合は別です。
「包皮切除をすると、包茎の余った皮の部分には、性感帯があるためそこを切った場合には快感が低下する、また、皮が余っている場合包皮のスライドが起こるが、これは女性側にとって自然の潤滑剤として利用される、また、包茎の皮は亀頭を保護する役割もある、包皮が全くない状態であれば、老人になるにつれ亀頭が鈍感になり、カピカピの亀頭になる可能性がある。」など、欧米では様々な理由から包皮の再生を行う人が多くなっています。
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